ユニバーサルデザインQ&A

Last updated 2009-06-04

Universal Design Network Japan

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ユニバーサルデザインQ&A

目次

ユニバーサルデザインとは何ですか?
今まで使っていたものはユニバーサルデザインではないのですか?
ユニバーサルデザインは誰のためのデザインですか
ユニバーサルデザインの7原則
ヒューマンセンタードデザイン(Human Centered Design)とは何ですか
なぜユニバーサルデザインが必要なのですか
参考にしたサイト、書籍

  ユニバーサルデザインとは何ですか?

ユニバーサルは「あらゆる、全ての」と言う意味です。するとユニバーサルデザインとは「全ての人のためのデザイン」ということです。
 私たちの住む社会にはいろいろな人がいます。性別、年齢、身長、学歴、家族構成、身体的特徴、人種と言った健康診断や履歴書に書いてあるようなことから、趣味、性格、知識、嗜好と言った、それまでの人生経験で形成されてきたものなど人はそれぞれに違いを持っています。
 様々な個性や能力に関わらず、あらゆる人にとって使える、わかるデザインがユニバーサルデザインです。

  今まで使っていたものはユニバーサルデザインではないのですか?

 子供の頃、水飲み場の台が高すぎると思ったことはありませんか? またパソコンや様々な機能を持つ家電製品にふれて、使い方がわからないと思ったりする事はありませんか?
こういったときそれらはユニバーサルデザインであるとは言えません。ある人が使えても別の人が使いにくい、あるいは使えないものはユニバーサルデザインではないのです。
 では水飲み場はこどもも使えるように全て高さを低くすればよいのか、そうすると今度は大人が使うときに腰が痛くなって使いにくくなると言うような問題が出てきます。誰でも使えるというものは難しいと思うかもしれません。
この場合水飲み場で言えば高い台と低い台を用意しておけば、水飲み場と言う場所に2つの選択肢ができます。これで背の低い人も使えるようになります。
水飲み場がユニバーサルデザインとして適切かという問題はいろいろな意見がありますが、要はある目的を果たす方法にいろいろな視点を持つことが大事と言うことです。
身近な製品もユニバーサルデザインの視点から評価してみると実は使いにくいものがたくさんあるかもしれません。

  ユニバーサルデザインは誰のためのデザインですか

 ユニバーサルデザインのユーザーは全ての人です。
 同じ人間でもライフステージにおいて個人の特性は変わってきます。老眼になって若い頃は見えていた細かい文字が読めなくなったり、ある日事故で車椅子生活になったり、子供が産まれて一緒に旅行をするようになったり。そのたびにものを買い直したり特注するのは大変です。
 始めからいろんな使い手を考慮していればユーザーがどんな特性を持っても柔軟に対応できるようになります。ユニバーサルデザインの概念では全てのユーザーは区別されることなく、それでいてそれぞれ個性を持つことを前提としたデザインなのです。

  ユニバーサルデザインの7原則

 ユニバーサルデザインは、ノースカロライナ州立大学デザイン学部ユニバーサルデザインセンターの創設者である故ロン・メイス氏によって提唱されました。同センターではユニバーサルデザインについて、次のような定義をしています。

 「すべての人にとって、できる限り利用可能であるように、製品、建物、環境をデザインすることであり、デザイン変更や特別仕様のデザインが必要なものであってはならない。」

 また、ユニバーサルデザインセンターでは、ユニバーサルデザインの7原則もまとめています。
 原則1:誰にでも公平に利用できること
 原則2:使う上で自由度が高いこと
 原則3:使い方が簡単ですぐわかること
 原則4:必要な情報がすぐに理解できること
 原則5:うっかりミスや危険につながらないデザインであること
 原則6:無理な姿勢をとることなく、少ない力でも楽に使用できること
 原則7:アクセスしやすいスペースと大きさを確保すること


  ヒューマンセンタードデザイン(Human Centered Design)とは何ですか

 直訳すると人間中心のデザイン。使う人を考慮したデザインです。当たり前のようですが今の世の中にある製品やサービスが使いにくい、使う人(ユーザー)にとっての使いやすさが考慮されていないのではないかということです。
 作り手の視点が知らず知らずのうちに使う人の視点からはずれてしまうと、どんなに美しくよい機能が付いていても使いづらい製品になってしまいます。 ヒューマンセンタードデザインではもう一度使い手である人間の視点を取り戻してデザインをしようという考えです。

  なぜユニバーサルデザインが必要なのですか

 私たちは年をとれば視力が落ちたり、足が悪くなったりなど、身体機能が低下します。21世紀は高齢化社会といわれ、日本では2005年に成人人口の50%が50代以上になると言われています。
このような中で、製品やサービスにおいて高齢者や障害者を特別扱いしない概念としてユニバーサルデザインがあるのです。21世紀にユニバーサルデザイン製品は大きな市場を対象にすることができるのです。
 また情報化が進む中、作り手と使い手の距離は狭くなっています。ユーザーの声がメーカーに届くようになり、製品開発を変えるようになりつつあります。
 ユーザーの意見を採り入れればよりよい製品ができると作り手は気づいています。ユーザーが多様化していく中で、ユニバーサルデザインはこれからのよりよい製品やサービスづくりのスタートになる概念になるのです。

  参考にしたサイト、書籍

・「ユニバーサルデザインとはなにか」
  古瀬敏(編著)、都市文化社、1998
・「デザインの未来:環境、製品、情報のユニバーサルデザイン」
  古瀬敏(編著)、都市文化社、1998
・株式会社ユーディット 情報のユニバーサルデザイン研究所
LinkIconhttp://www.udit.jp/