現場からの便り
第1回 (株)ユーディット 主任研究員 濱田 英雄 氏 「ユニバーサルな情報化社会を目指して」 パソコンは表現手段の一部パソコンは小学生から教育が始まり、若者達にとって必要不可欠な存在になってきました。今やパソコンができなければ就職も難しくなってきている。しかし、障害者こそ、道具として活用することで、可能性が大きく広がるはずなのです。言語に障害があってコミニュケーションの難しい人がみんなと平等に会話し、中には恋を実らせる事だってある。移動が困難で出かけられなくても、家で多くの情報を得ることができるし、自分の思いを発信することもできる。仕事をすることだって夢ではないのです。 増えてきたパソボラ支援通称パソボラ(パソコンボランティア)と呼ばれる、障害者がパソコンを使用するための相談やサポートをする組織も、昨年あたりから急速に全国で作られてきています。私の所属している「ドリームナビゲーター横浜」と言うパソボラ組織では、サポートをするパソボラだけではなく、その先の「パソコンを使って、いかに夢の持てる人生を歩むか」に重点を置いて活動しています。先日のパソボラ相談会では、一人の杖をついたご婦人にお会いしました。ご主人が定年になって、やっと二人で次の人生を楽しもうと思っていたのに脚が不自由になって外に出るのが大変になってしまった。パソコンやインターネットを使って社会との接点を持ちたいとのお話で「社会から取り残されて、歳を取っていくのはいやですから」と言う言葉が印象的でした。これからもパソボラのように人的支援をする人達が増えていってくれることを期待しています。 ホームページを耳で読む視覚障害者がよく使っている、ホームページの画面情報を合成音声でラジオのように読み上げるホームページ・リーダーというソフトがありますが、別の仕事をしながらニュースを確認したり、文字が小さいので耳で聞いた方が楽な高齢者やも、漢字の読みが難しい子供など、晴眼者が使っても便利な製品です。文章は男性の声で、リンクの部分は女性の声で読む機能や、急いで読みたい場合に行の後半を読み飛ばす「ななめ聞き」の機能などがあります。パソコンの内蔵音源や一般的なブラウザー、キーボードのテンキーを利用するので、特殊な装置は不要です。このように、障害者も健常者も共に使える製品を作ることを「ユニバーサル・デザイン」と言うのだと思います。他にも、さまざまな形状をしたトラックボールのように、意識してはいなかったけれども、結果的に障害者に役立つ物もあります。 Webのユニバーサル・デザインホームページ・リーダーで実際にWebを読んでみると、多くの処で画像やイメージ・マップ等がきちんと読めないことがあります。それは画像を表示するimgと言うタグにaltというコメントが入っていないためです。これはそのホームページが、障害者の利用を意識していない、すなわち「ユニバーサル・デザイン」で作られていないと言うことになります。 | ||